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非正規社員率

日経新聞によると、全労働者にしめる非正規社員(有期雇用者、パートタイマー、派遣社員など)の比率は38.2%と、4割近くに達し、過去最高になったそうです。

所得格差問題、犯罪率増加問題及び生活保護受給者増加問題などの理由により、政府としてはできる限り非正規社員率を抑えたいのですが、思い通りにはいかないようです。

企業側の立場で、なぜ正社員ではなく、非正規社員が増加しているかという問題を考えてみますと、その一つとして解雇問題が考えられます。

労働契約法第16条において、「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。」としています。

一般的に、裁判所において、客観的合理的理由は存在するとしても、社会通念上相当とされるケースは少数で、このため解雇無効と判断されるケースが非常に増加しています。従って企業側の立場から解雇はとても難しいのが現実です。最近の景況感の上向き及び消費税増税前の駆け込み需要などで、繁忙期となっている企業では、その需要に応えるため、社員の増員をしたいのは山々ですが、正社員を増員すると、万一、来年4月以降の消費税増税後の落ち込みなどが到来した場合または第2のリーマンショックが到来した場合に対応できない(解雇できない)ため、やむを得ず非正規社員で対応せざるを得ないという現状があります。このため、正社員など一部の社員の負担が増し、残業増加による過労死問題などのリスクが増加するといった負のスパイラル現象が起きています。

この負のスパイラル解消のためにも、もう少し、社員の流動化(雇用の流動化)を促す施策が必要です。具体的には解雇権乱用法理を柔軟に考えることも視野に入れ、検討すべき時期がきています。