労務トラブル事例集

採用 〜採用する際の注意点について〜

最高裁(昭和48年12月12日)は、採用に関して次のように述べています。

『企業者は、経済活動の一環としてする契約締結の自由を有し、自己の営業のために労働者を雇用するにあたり、いかなる者を雇入れるか、いかなる条件でこれを雇うかについて、法律その他による特別の制限が無い限り、原則としてこれを自由に決定することができるのであって、企業者が特定の思想、信条を有する者をそのゆえをもって雇入れることを拒んでも当然に違法とすることはできない。』

すなわち、採用については使用者に広範な自由が認められています。
なぜなら労働基準法第3条では使用者は、労働者の信条等により賃金等の労働条件について差別的取扱をしてはならない旨を規定していますが、これは雇入れ後の労働条件に関する制限であって、雇入れそのものを制限する規定ではないと解されているからです。
但し、法律その他による特別の制限として、募集・採用にあたって女性に男性と同じく均等機会を与える義務(雇用機会均等法第5条)、労働者として使用できる最低年齢(労働基準法第56条) 定められた雇用率まで障害者を雇用する義務(障害者雇用促進法第11条以下)があります。
これらに違反しないよう注意が必要です。

トラブル予防のためのポイント

このように採用について使用者には広範な自由がありますが、採用時にどのような労働者(経歴、
資格、能力等)が必要なのか、使用者は明確にしておく必要があり、またこの応募条件を明示する
ことにより紛争予防にもなり、なにより優秀な人材が確保できると考えます。
注意点として、万が一、採用後に労働者の信条等が会社方針に合わないことがわかった場合、業務
命令の範囲内では会社方針に従うよう指導できますが、紛争予防として、就業規則の懲戒処分規定
業務命令に従わないときの文言の追加が必要です。

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