労働基準監督署の臨検対応

臨検とその対応法

臨検とは、労働基準法で次の通り定められている労働基準監督官の権限のことです。


労基法第101条
労働基準監督官は、事業場、寄宿舎その他の附属建設物に臨検し、帳簿及び書類の提出を求め、又は使用者若しくは労働者に対して尋問を行うことができる。


従って、これは労基法をその根拠としており、いわゆる行政指導ではありません。


しかしながら、臨検の結果、法違反などが発覚した場合に行う労働基準監督官が行う是正勧告及び指導などは、行政指導です(平成22年10月29日、衆議院議員村田吉隆氏が提出した「労働基準監督機関の役割に関する質問趣意書(質問第103号)」に関して、平成22年11月9日、当時の菅直人首相名で衆議院議長横路孝弘氏宛に回答された答弁書(内閣衆質176第103号))。


厚生労働省の行政指導は、厚生労働法設置第4条記載の「労働契約、賃金の支払、最低賃金、労働時間、休息、災害補償その他の労働条件に関すること」です(上記質問書及び答弁書)。


行政指導についての詳細は、行政手続法に定められており、次の通りです。


行政指導の一般原則として、第32条では、「政指導にあっては、行政指導に携わる者は、いやしくも当該行政機関の任務又は所掌事務の範囲を逸脱してはならないこと及び行政指導の内容があくまでも相手方の任意の協力によってのみ実現されるものであることに留意しなければならない。」また第2項で「行政指導に携わる者は、その相手方が行政指導に従わなかったことを理由として、不利益な取扱いをしてはならない。」としています。


また改正法で新しく、「行政指導の中止等の求め」の条文が追加されており、


第36条の2では、「法令に違反する行為の是正を求める行政指導(その根拠となる規定が法律に置かれているものに限る。)の相手方は、当該行政指導が当該法律に規定する要件に適合しないと思料するときは、当該行政指導をした行政機関に対し、その旨を申し出て、当該行政指導の中止その他必要な措置をとることを求めることができる。ただし、当該行政指導がその相手方について弁明その他意見陳述のための手続を経てされたものであるときは、この限りでない。 」としています。


このようなことから、経営者は臨検に協力する姿勢が必要ですが、自身が納得いくまで十分に検討した上で対応することが必須となります。