労働条件審査

労働条件審査

国および地方公共団体は、非常に厳しい財政状況にあり、このため公共サービスの効率化、コストダウンの要請が高まり、国や地方自治体から民間事業者への公共工事、委託事業および指定管理者制度における低価格・低単価の契約・発注が増大しています。

このため受注先企業の経営悪化、労働者の賃金および労働条件の著しい低下を招いています。事業を受託している企業や事業所も、契約を優先するため、一方的な受注額の引き下げを受忍せざるを得ない状況におかれています。

一度低価格・低単価での契約が成立すると、次の契約はさらに低価格・低単価という負のスパイラルが生じています。その結果、受注企業は経費の大きなファクターである人件費に及び、このしわ寄せを受けた労働者は、働いても生活が成り立たない、いわゆる官製ワーキングプアが多数生まれています。

公契約条例の制定

この問題に対し、何らの対策を見いだせない国に代わり、地方公共団体の一部がこのまま手をこまねいていてはならないと動き始めました。平成21年9月、千葉県野田市は、市発注の工事や委託業務を受託した業者は、市が定める一定以上の賃金を労働者に保障しなければならないとする公契約条例を制定しました。

野田市の後、神奈川県川崎市も公契約条例を制定し、またこれを検討する地方自治体も全国規模で増加しています。

公契約は建設業だけではありません。公共施設の運営、情報システムメンテナンス、産業廃棄物収集運搬、庁舎等の清掃・警備、給食調理、バス等の運行等あらゆる分野に広がっています。

これらのことから、今後民間企業が地方公共団体と公契約を締結する際には、単に従業員の単価(人件費)アップだけでなく、従業員の社会保険の適用状況、時間外・深夜割増賃金の支払、有給休暇の取得および健康診断の受診状況など従業員の労働条件すべてにおいて法の遵守がチェックされることが予想されます。